日本のハワイアンカフェで「本物のハワイ料理」は何品食べられるのか|ロコモコからラウラウまで、実際に探した結果【2026年8月・公式確認済み】
「ハワイ料理といえば?」と聞かれて、ロコモコ、パンケーキ、アサイーボウルの3つが出てきたなら、それはハワイ料理ではなく日本のハワイアンカフェのメニューを答えていることになります。
ハワイの伝統料理の中心にあるのは、タロイモの葉で豚肉を包んで蒸したラウラウ、タロイモを練ったポイ、土窯で丸ごと蒸し焼きにしたカルアピッグ、塩とトマトで揉んだロミロミサーモンです。ルアウ(ハワイの祝宴)で並ぶのはこの顔ぶれで、ロコモコやパンケーキはむしろ後発の「ローカルフード」に分類されます。
では、この本来の定番たちは日本で食べられるのか。ハワイ旅行メディアはハワイの店を教えてくれますが、日本国内でどこまで到達できるのかを書いた記事はほとんどありません。
そこで、日本の主要なハワイアン系レストランの公式メニューを1品ずつ確認しました。結論から言うと、日本で普通に注文できるのは6品前後、ほぼ出会えないのが4品前後です。そして「本物に一番近づける店」は、意外にもハワイアンカフェではありませんでした。
まず整理:ハワイ料理は3つの層に分かれている
日本の記事では全部まとめて「ハワイ料理」と呼ばれますが、成り立ちが違う3層が混ざっています。ここを分けないと、何が食べられて何が食べられないのかの説明がつきません。
第1層:伝統ハワイ料理(Hawaiian Food)
古代ハワイから続く料理。カルアピッグ、ラウラウ、ポイ、ロミロミサーモン、ハウピア(ココナッツミルクのデザート)など。タロイモ、ティーリーフ、イム(地下の土窯)といった、ハワイの土地に根ざした素材と調理法が前提です。
第2層:ローカルフード(Local Food)
移民の食文化が混ざって20世紀に生まれたもの。ロコモコ、プレートランチ、スパムむすび、モチコチキン、サイミン、マラサダなど。日系・ポルトガル系・中国系・フィリピン系の影響が濃く出ています。
第3層:観光地グルメ
パンケーキ、アサイーボウル、ガーリックシュリンプなど。ワイキキで観光客に人気の、比較的新しいジャンルです。
日本のハワイアンカフェが得意なのは、圧倒的に第2層と第3層。第1層に踏み込んでいる店はごく限られます。この偏りには理由があります。
日本で普通に食べられる6品
1. ロコモコ|ほぼすべての店にある
ご飯にハンバーグと目玉焼きをのせ、グレービーソースをかけたローカルフードの代表格です。日本で最も定着したハワイ料理で、ハワイアン系の店ならまず外れません。
アロハテーブルは公式サイトで、ハワイの111アワードのロコモコ部門で3年連続1位・殿堂入りを果たした「プレミアム・ロコモコ」を看板に据えています。国内13店舗展開なので、都市部ならアクセスも容易です。スパリゾートハワイアンズでも、プレミアムロコモコ グレービーソース1,750円、ガーリックソースロコモコ1,480円、ロコモコカレー1,550円と、複数の派生形が並びます。
2. ポキ|刺身文化のおかげで再現度が高い
角切りにした生魚を醤油やごま油で和えたもの。日本は魚の鮮度と流通の水準が高いため、ハワイ料理の中でもっとも「本場と遜色ない」と言われやすい一品です。アロハテーブルには「マグロとアボカドのポキ丼」が定番であり、専門店ではベースやトッピングを選べるカスタム形式も普及しています。
3. ガーリックシュリンプ|オアフ島カフクの名物がそのまま来た
殻付きの海老をニンニクとバターで炒めた、ノースショアのシュリンプトラック発祥の料理です。Pacific DRIVE-INのガーリックシュリンププレートは1,750円。アロハテーブルにも「レモンバター ガーリックシュリンプ」があります。
4. モチコチキン|もち粉で揚げる日系ハワイの味
もち粉の衣で揚げたフライドチキン。日系移民の食文化から生まれた、第2層らしい料理です。Pacific DRIVE-INではモチコチキンプレート1,600円、サイドで950円。アロハテーブルも公式サイトのメニュー紹介で「もち粉で揚げたフライドチキン」に触れています。
5. マラサダ|ポルトガル移民が持ち込んだ揚げ菓子
穴のないドーナツ。スパリゾートハワイアンズでは450円で、シュガーとシナモンシュガーの2種類から選べます。近年は日本国内に専門店も増え、単独で成立するジャンルになりました。
6. カルアピッグ|実は日本でも食べられる(ただし店は限られる)
ここからが本題です。伝統ハワイ料理の第1層で、唯一まとまった数の店で食べられるのがカルアピッグです。本場では豚を丸ごとバナナの葉で包み、イムと呼ばれる地下の土窯で長時間蒸し焼きにします。当然、日本の飲食店の厨房で土窯は掘れません。
それでも再現している店があります。鎌倉・七里ヶ浜のPacific DRIVE-INは、公式サイトで「豚肉を4時間蒸し焼きにし、キャベツと炒めたハワイで伝統的なプレート」としてカルアピッグ&キャベジプレート1,600円を提供しています。朝の時間帯(8:00〜10:45 L.O.)にはカルアピッグオムレツ1,400円もあります。
このメニューを監修しているのは、ハワイでプレートランチとスコーンの名店として知られる「Diamond Head Market & Grill」でペストリーを担当していたJUN NAKAMURA氏。ハワイの現地店で実務経験を積んだ人が設計しているからこそ、第1層の料理が定番メニューに残っているのだと考えられます。
ほぼ出会えない4品と、その理由
ラウラウ|検索すると出てくるのは「店名」
ラウラウは、豚肉や魚をタロイモの葉(ルアウリーフ)で包み、さらにティーリーフでくるんで蒸した料理です。ハワイ語の「ラウ」は葉を意味し、葉を重ねるからラウラウと呼ばれます。
これを日本で探すと、面白い現象が起きます。スパリゾートハワイアンズには「ラウラウ」という名前の飲食店があります。アロハタウンにあり、水着のままOK・テイクアウト可、平日11:00〜15:00/土日祝11:00〜17:00で営業しています。
ただし公式サイトに掲載されているメニューは、ガーリックソースロコモコ1,480円、さくうまチキン550円、明太マヨいか焼き880円。店名はラウラウでも、ラウラウは売っていません。ハワイアンズ全体のメニュー一覧を見渡しても、料理としてのラウラウは見当たりませんでした。
理由はシンプルで、タロイモの葉が日本でほぼ流通していないからです。生のタロイモの葉にはシュウ酸カルシウムが多く含まれ、長時間加熱しないと食べられません。輸入も保存も難しく、常時仕入れる前提のメニューにはなりにくい素材です。
ポイ|日本のスーパーには存在しない主食
タロイモを蒸してすりつぶし、水を加えて練った古代ハワイアンの主食です。日本でこれを常設メニューに載せている飲食店は、確認できませんでした。
タロイモ自体は輸入されていますが、ポイは発酵の進み方で味が変わる、いわば生鮮品に近い食べ物です。作り置きも輸送も難しく、日本の飲食店の在庫管理と相性がよくありません。
ロミロミサーモン|「あるようでない」典型
塩を振ったサーモンとトマト、玉ねぎを手で揉むように混ぜた料理です。ロミロミはハワイ語で「揉む・マッサージする」を意味します。ルアウでポキ、カルアピッグ、ラウラウ、ポイと並んで供される定番です。
日本ではプレートランチの付け合わせとして小鉢サイズで出てくることはあっても、単品メニューとして常設している店は稀です。今回確認した主要チェーンの公式メニューにも、単品としては見当たりませんでした。材料は日本でも揃うだけに、「作れないから出さない」のではなく「単品で注文されないから載せない」タイプの不在です。
ハウピア|ココナッツのデザートも見かけない
ココナッツミルクを固めた白いプリン状のデザート。ルアウの締めに出る定番ですが、日本のハワイアンカフェのデザート欄はパンケーキとアサイーボウルにほぼ占められています。今回の確認範囲では常設メニューとして見つかりませんでした。
なぜこの偏りが起きるのか
日本のハワイアンカフェのメニューを並べると、共通する構造が見えてきます。
素材が現地依存の料理は落ちる。 タロイモの葉、ティーリーフ、生のポイ用タロ。これらは日本で安定調達できません。第1層が丸ごと抜け落ちる最大の理由です。
調理法が設備依存の料理も落ちる。 イムで丸ごと蒸し焼きにするカルアピッグは、本来は設備の料理です。Pacific DRIVE-INが「4時間蒸し焼き」という方法で置き換えているように、再現には手間か工夫が要ります。
写真映えする料理が残る。 パンケーキ、アサイーボウル、ポキボウル。第3層が日本で圧倒的に強いのは、SNSとの相性が理由の一つでしょう。逆にポイやハウピアは白くて地味です。
日本人の味覚に合う料理が残る。 ロコモコもポキもモチコチキンも、醤油と米の文化圏の料理です。ポイの酸味やタロの粘りは、説明なしに注文される味ではありません。
つまり日本のハワイアンカフェは、ハワイ料理を縮小コピーしているのではなく、日本で成立する部分だけを選んで持ってきているのです。これは手抜きではなく、店として当然の判断です。
「本物に近づける店」の探し方
今回いちばんはっきりしたのは、カフェ形態よりプレートランチ形態のほうが第1層に近いということでした。
理由は業態の設計にあります。ハワイアンカフェはカフェである以上、パンケーキとコーヒーが主役になります。一方プレートランチ専門店は「主菜+ライス+サイド」というハワイの食事の型そのものを再現するため、主菜のバリエーションに伝統料理が入り込む余地があります。
Pacific DRIVE-IN 七里ヶ浜の公式メニューを見ると、その構造がよくわかります。
| メニュー | 価格(税込) |
|---|---|
| カルアピッグ&キャベジプレート | 1,600円 |
| モチコチキンプレート | 1,600円 |
| ガーリックシュリンププレート | 1,750円 |
| ロコモコプレート | 1,800円 |
| ミックスポキボウル | 1,850円〜2,300円 |
| LOCAL COMBO(2種盛り/カルアピッグ・ガーリックシュリンプ・モチコチキンから) | 1,850円 |
| アサイーボウル | 1,550円 |
| バターミルクパンケーキ | 1,350円 |
| カルアピッグオムレツ(朝食 8:00〜10:45 L.O.) | 1,400円 |
第1層(カルアピッグ)、第2層(モチコチキン、ロコモコ)、第3層(パンケーキ、アサイーボウル)が1枚のメニューに同居しています。とくにLOCAL COMBOの1,850円は、カルアピッグとモチコチキンを一度に試せるという点で、この記事の目的にはうってつけの選択肢です。
Pacific DRIVE-IN 実用情報
| 項目 | 七里ヶ浜 | ルミネエスト新宿 |
|---|---|---|
| 住所 | 神奈川県鎌倉市七里ガ浜東2-1-12 | 東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿8F |
| アクセス | 江ノ電 七里ヶ浜駅 徒歩3分 | JR 新宿駅 徒歩3分 |
| 営業時間 | 8:00〜20:00(L.O.19:00)/平日は10:00開店 | 11:00〜22:00(L.O.21:00) |
| 定休日 | 不定休 | 施設に準ずる |
| 席数 | 店内48席・テラス40席 | 店内49席 |
| 電話 | 0467-32-9777 | 050-1745-1320 |
| 予約 | 電話予約は不可 | 電話予約は不可 |
※11月〜2月末はWINTER TIME営業。コーヒーは南青山のロースター「Little Darling Coffee Roasters」によるオリジナルブレンドです。
七里ヶ浜店は相模湾に面していて、席から海が見えます。朝8時台にカルアピッグオムレツを頼んで、目の前が明るくなっていくのを眺める時間は、正直これだけのために早起きする価値があります。ただし土日の昼は駐車場も店内も混みます。第1層の料理をゆっくり味わいたいなら、狙うべきは平日か朝の時間帯です。
こんな人には向かない・注意点
「ハワイ料理を全部食べたい」人には日本は物足りない。 本記事の結論として、ラウラウとポイは日本で常設提供している店を確認できませんでした。この2品を目的にするなら、ハワイに行くしかありません。
「ハワイアンカフェ=ハワイ料理の店」ではない。 パンケーキとアサイーボウルが主役の店は、正確には「ハワイの空気を楽しむ店」です。それが悪いわけではまったくなく、目的が違うだけです。伝統料理を求めて入ると期待とずれます。
季節と時間帯でメニューが変わる。 プレートランチの付け合わせは季節によって変更されることが公式に明記されています。朝食メニューは10:45 L.O.で終了します。狙いの一品があるなら、行く時間帯まで決めてから出発してください。
よくある質問
Q. ハワイ料理の定番といえば結局どれですか?
伝統料理(第1層)ならカルアピッグ、ラウラウ、ポイ、ロミロミサーモン、ハウピアの5品。ローカルフード(第2層)ならロコモコ、プレートランチ、スパムむすび、モチコチキン、マラサダ。観光地グルメ(第3層)ならパンケーキ、アサイーボウル、ガーリックシュリンプです。日本で目にする「ハワイ料理」の大半は第2層と第3層にあたります。
Q. 日本でカルアピッグが食べられる店はありますか?
鎌倉・七里ヶ浜と新宿のPacific DRIVE-INで、カルアピッグ&キャベジプレート1,600円として提供されています。公式サイトによれば豚肉を4時間蒸し焼きにする調理法です。朝食時間帯にはカルアピッグオムレツ1,400円もあります。
Q. ラウラウやポイは日本で食べられますか?
2026年8月時点で、主要なハワイアン系レストランの公式メニューには常設として見当たりませんでした。タロイモの葉が日本で安定して流通していないことが主な理由です。なお、スパリゾートハワイアンズにある「ラウラウ」は店名であり、料理としてのラウラウは提供されていません。
Q. ロコモコとプレートランチは何が違うのですか?
ロコモコは料理名で、ご飯にハンバーグと目玉焼きをのせグレービーソースをかけたものを指します。プレートランチは「主菜+ライス+サイド」という提供形式そのものを指す言葉で、もともとサーファー向けの手軽な食事として広まりました。ロコモコがプレートランチの形で出てくることもあります。
Q. ポキとポキ丼は同じものですか?
ポキは角切りの生魚を味付けした料理そのもの、ポキ丼はそれをご飯にのせた形態です。ハワイではスーパーの量り売りで単体購入するのが一般的で、丼にするのは日本で定着したスタイルです。
まとめ:日本で「ハワイ料理」を食べに行くなら
日本のハワイアンカフェで会えるのは、ロコモコ、ポキ、ガーリックシュリンプ、モチコチキン、マラサダ、そして店を選べばカルアピッグ。ラウラウ、ポイ、ロミロミサーモン、ハウピアは、いまのところハワイに行くしかありません。
これは日本の店の努力不足ではなく、素材と調理設備の制約がそのまま出た結果です。むしろ制約の中でカルアピッグを4時間蒸し焼きで再現している店があること自体が、なかなかの熱量だと思います。
伝統料理の側に一歩踏み込みたいなら、カフェではなくプレートランチ専門店を探す。これが今回の調査でいちばん実用的な結論です。
より深く探すなら、ロコモコ部門3年連続1位を掲げるアロハテーブル全13店舗の選び分けガイド、18種類から選ぶポキ丼のカスタム戦略、そして今回たびたび登場したスパリゾートハワイアンズ完全ガイドもどうぞ。七里ヶ浜まで足を延ばすなら、江の島で過ごす日帰りハワイ1日プランと組み合わせるのが効率的です。
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